4月8日朝日新聞夕刊に「新生美術館を味わう」という記事が載っていた。群馬県立近代美術館と千葉の川村記念美術館が改築・増築したという記事だ。群馬では採光と照明設備を改善し、展示室が明るく開放的になったという。川村は企画展示ホールを増設し「バーネット・ニューマンやフランク・ステラの作品など、従来のスペースでは展示しきれなかった大作を常設する」という。抽象表現主義のトップに位置づけられているニューマンの今回展示されている「アンナの光」は縦276×横611cmの巨大さだ。
新生美術館に対して少しばかりアヤをつければ、群馬県は数年前この近代美術館のほかに群馬県立館林美術館を作りながら、収蔵点数が涙の出るくらい少ないのだ。文字通り箱もの行政だ。そのことは以前書いた。
「これでいいのか、群馬県立近代美術館」(id:mmpolo:20070125)
川村記念美術館については、ここが大日本インキの一部門であることだ。通常企業が美術館を作るときは財団法人などを設立して、別組織にするものだ。学芸員に聞いた。なぜ美術館が企業の一事業部門なのですか? いざというとき収蔵作品を売却することができるためです。何ともはや。