新潮社の季刊雑誌「考えるひと」2008年春号が「海外の長編小説ベスト100」という特集を組んでいる。「さまざまなジャンルの書き手129人が選び出した100の長編小説」の内容は、
第1位 ガルシア=マルケス「百年の孤独」
第2位 プルースト「失われた時を求めて」
第3位 ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」
第4位 セルバンテス「ドン・キホーテ」
第5位 カフカ「城」
第6位 ドストエフスキー「罪と罰」
第7位 メルヴィル「白鯨」
第8位 トルストイ「アンナ・カレーニナ」
第9位 カフカ「審判」
第10位 ドストエフスキー「悪霊」
第11位 エミリ・ブロンテ「嵐が丘」
第12位 トルストイ「戦争と平和」
第13位 ナボコフ「ロリータ」
以下、ジョイス「ユリシーズ」、スタンダール「赤と黒」、トーマス・マン「魔の山」、カミュ「異邦人」、ドストエフスキー「白痴」、ユゴー「レ・ミゼラブル」、トウェイン「ハックルベリイ・フィンの冒険」、以上20位まで。
この中で半分くらいしか読んでいなかった。21位以下で面白そうなものは、サルトル「嘔吐」(22位)、セリーヌ「夜の果てへの旅」(24位)、サリンジャー「ライ麦畑でつかまえて」(32位)、フォークナー「八月の光」(47位)、ヘミングウェイ「日はまた昇る」(50位)、ヴォネガット「スローターハウス5」(60位)、エーコ「薔薇の名前」(86位)。
ノサックがない。モラヴィアもル・カレ「パーフェクト・スパイ」もグレアム・グリーン「情事の終わり」もない。どうしてスタニスワフ・レム「ソラリス」がないのだ! SFやスパイ小説に偏見を持っているに違いない。ストロガツキイも忘れているぞ。
そう言えば、50年前の日本の文芸評論家が選んだ世界十大小説には、志賀直哉「暗夜行路」が選ばれていたなあ。