コレクター展

 あるコレクターのコレクション展を見たことがある。たくさんのコレクションを持ち、アートについての講演や執筆もしているその人のコレクションのほんの一部を展示していた。ふだん何をしゃべっていてもコレクションを見れば分かることがある。そこに現れた作品の傾向を見ることでコレクターの趣味、レベル、眼力が明らかにされる。隠されていたものが現れてしまう。コレクション展はこわいものがある。
 さて、昨年急死したギャラリー汲美のオーナー磯良卓司さんの1周忌が近づいている。それを記念して「汲美一周忌展」と題された展覧会が企画されている。命日の5月15日をはさんで14日から19日まで、東京京橋のギャラリーびーたで開催される。汲美に関係した画家たち73人の出品が予定されている。その作家たちの作品を通して向こうに磯良さんが現れたら嬉しい。
 磯良さんはギャラリーを経営しながらコレクターでもあった。良い作品をたくさん持っていると聞いた。できれば磯良卓司コレクション展も見てみたいものだ。