ニコニコ動画を見て

 帰宅するとパソコンの前に座っている娘が、父さん面白いから一緒に見ようよと言うので、ちょっとだけ付き合うつもりが気がつけば2時間が経過していた。彼女が見ていたのはニコニコ動画初音ミクが歌っているやつだ。最初にモーツアルトの「魔笛」の「夜の女王のアリア」を聴いた。この初音ミクというのは、「初音ミク(はつね みく)は、2007年8月31日にクリプトン・フューチャー・メディアから発売された音声合成・デスクトップミュージック (DTM) ソフトウェア、および同ソフトのイメージキャラクターの名称。」(Wikipedia
 合成音声だから夜の女王の超高音域がらくらくと出てしまう。聴いていて何の不安もない。しかし、私にはこの何の不安もなく聴けてしまうのがちょっとだけ不満だった。いままで何人かのソプラノで聴いたが、一番安定して歌っているのがクリスティーナ・ドイテコムだ。しかし、12チャンネルの「開運! なんでも鑑定団」が面白いのはお宝かゴミかがあらかじめ分からないからなのだ。その点初音ミクは決して失敗しないことが分かっているから少しだけ不満なのだ。
 初音ミク中島みゆき山口百恵などなんでも歌ってしまう。というか、多くのマニアたちが販売されているソフトを使ってそれらを歌う初音ミクを作り、ニコニコ動画にアップしているのだ。
 これらを見て興味深かったのは、今まで専門家と素人と分けられていたのが、(ニコニコ動画という発表の場を与えられた時)素人の中に多くの才能が隠れていたことが分かったことだ。今までは単に彼らに発表の場がなかっただけなのだ。実際、自分で作曲して演奏し、それをアップしている若者たちがいる。
 他にもニコニコ動画では様々な映像がアップされている。私が好きなブレルが「行かないで」を歌っているのもあったし、他の歌手がその曲を歌っているのもあった。動物たちの面白い映像を集めたものもあった。2時間がすぐに過ぎたのも宜なるかなだ。