熊谷守一と野見山暁治

 正月の「開運 なんでも鑑定団」を見ていたら熊谷守一の絵が紹介された。それを見て野見山暁治の作品かと思った。それで初めて気が付いたのだが、熊谷守一野見山暁治は似ている。どちらも遠近法を無視して平面なのだ。
 野見山はパリでアパートの正面の谷を描いているうちに絵から遠近法が無くなっていった。その頃ミュゼ・ギメー(東洋美術館)で中国の宋の絵を見て東洋にはすばらしい伝統があることに気づいて帰国を決意した。東洋画は平面なのだ。
 熊谷は色面で絵を描いていて、これはナビ派と共通する。平面であることが2人の画家に共通している。さらに色彩にも共通点がある。
 平面と書きながらこれは村上隆スーパーフラットとは似ても似つかない。村上のは単なる2次元だが、熊谷と野見山は構成を伴った平面なのだ。