駅などの階段の段数、そして空想ガレリア

 JR亀戸駅には改札が2カ所あり、ロータリーと明治通りに面した北口が表玄関で、狭い裏通りに面した東口が文字通り裏口だ。改札から駅のホームまで、北口の階段が43段なのに比べて、裏口の東口の階段は38段だ。東口の階段の方が5段少ない。これは東口の方が北口より約1メートル標高が高いということなのだろうか。
 ちなみに銀座4丁目のギャラリー58がエレベーターのないビルの4階で階段数が47段、これは銀座5丁目のメグミ・オギタ・ギャラリーより2段ほど低い。
 階段が高かったのは今はもうない銀座5丁目の空想ガレリアというギャラリーだ。エレベーターがないのに6階だった。途中の踊り場に休憩用の椅子が用意してあった。女性オーナーの肥後さんは元現代画廊にいた人だった。現代画廊は「気まぐれ美術館」の名エッセイで知られる須之内徹のギャラリーだ。
 ある時、空想ガレリアが野見山暁治小品展を開催した。小品と言うより何かの裏に書きつけたようなものだった。とても安かった。そのことを言うと、肥後さんは安いと非難されたと思ったらしく、他の画廊が文句を言ってきても私は現代画廊にいた女だから、と啖呵を切った。い、いや、決してそんなつもりで言ったのでは・・・。肥後さん、若い頃は美人だったろう。