雨の中のオープンカー、そしてサンダーバード

 以前ホンダVTZ250でオートバイ通勤をしていたとき、帰途にわか雨があった。オートバイでは雨具を着ていても雨がしみてくる。交差点で止まったとき、隣りにオープンカーが並んで止まった。やはり雨具を着ている運転手が、お互い雨は困るよねと話しかけてきた。幌がない車内はシートも床も濡れていた。そうですねと答えたところで信号が青になり、バイクで飛び出した。バイクは車に比べて発進だけが有利なのだ。オープンカーがすぐ追い越して走っていった。それにしても幌のないオープンカーがあるのだ! 車の専門家に聞くと雨のない国向けに2,3種類作られているそうだが、日本にも輸入されているんだと驚いていた。
 オープンカーといえば、数日前渋谷で古い型のサンダーバードを見かけた。交差点脇に止めて屋根を半ば上げ、錆止め剤のCRCー556を屋根の蝶番に吹き付けていた。それで思い出すのは、横浜市の自動車学校の遊び人の御曹司がやはりサンダーバードに乗っていた。もう40年近く前のことだ。俺はこの車には絶対に女は乗せないんだと断言していた。そのこだわりは何なのだ。順調にいっていれば彼は今ごろ鶴見区下末吉の自動車学校の社長のはずだ。