山本弘の作品解説(9)「削道B」


 山本弘「削道B」油彩、F20号(72.7cmX60.5cm)
 昨日紹介した「削道A」とともに、1978年10月の飯田市中央公民館の個展で発表された。同じ削道の題名が付いているが共通性は何だろう。一面に拡がる青は山の木々を表しているのだろうか。分からない。
 1995年の東邦画廊の第2回遺作展に展示され、120万円で販売された。山本弘生前にどんなに高くても10万円以上では売れなかったと思う。絵はほとんど酒代や絵の具など画材費に変わったのではないか。
 山本弘の色づかいは激しい。いや実はそうではない。私が激しい色づかいが好きなのだ。山本には穏やかな色彩の絵も多い。その穏やかな色彩の絵を指して、山本は色彩に優れると言われる。