キャバクラ嬢の時給からロシア人ホステスまで

 以前接待で何度かキャバクラへ行った。キャバクラの定義はアルバイトの女子大生がホステスを勤めるクラブというのだったろうか。通常のクラブのホステスと違って彼女たちが若いのだ。同時に隣りに座って酒を飲んでしゃべるくらいで、それ以上のサービスはない。
 普通のクラブでも建前は同じなのだが、体に触る客がいても厳しく拒絶することは多くない。多分それはキャバクラの女の子とクラブのホステスの意識の違いだろう。もっともクラブのホステスについて詳しく知っているわけではないが。
 キャバクラや銀座のクラブに行くと彼女たちの時給を聞いていた。単なる好奇心からだ。キャバクラ嬢が時給2,700〜3,000円くらいだった。私の行っていた銀座の3流クラブのホステスが、時給3,000円ももらってないわよと言っていた。
 銀座の1流クラブは正確にはホステスとヘルプに分かれる。ヘルプは平たく言えばアルバイトで売上げのノルマがない。対してホステスは売上げのノルマが課され、客のツケも保証させられる。場合によっては肩代わりしなければならない。もちろん給料が違う。1流クラブでもヘルプの時給は3,000円くらいだが、チーママの年収が2億円だった。
 私の行っていた3流クラブはホステスと言ってもヘルプみたいなものだった。キャバクラも同じくらいの時給なのだ。
 ところが知人の息子が付き合っている彼女は六本木のキャバクラ嬢をしていて、その時給が6,000円だという。倍じゃないか。なぜ?
 私が夜の帝王の名付けているTさんに聞いた。あ、それは抜きキャバだよ。何やら妖しいキャバクラがあって別室でとてもいいことをしてくれるのだという。そこに勤めているのだろう。
 Tさんの言うことは信頼できる。彼は夜の事情通で風俗産業に従事する知人も多い。ある時、錦糸町のデパートにきれいなロシア人の女性がいたよと言うと、ロシア人は臭いからと言う。ロシア人のホステスが側に来ると臭いのだと。ひどいことを言うと思った。その後で米原万里のエッセイを読んだら、臭いわけがはっきり書かれていた。そのことをビデオのカメラマンに話したら、そうなんだと教えてくれた。彼はNHKの仕事で長くシベリアに行っていた。ロシアにトイレットペーパーが普及したのはここ10年ですと。
 ホステスの時給からロシアの話まで、5〜10年くらい前の情報である。最近のことは知らない。