写真の著作権、発生したりしなかったり

 上野の国立西洋美術館の前庭にはロダンの彫刻、地獄門とカレーの市民、考える人、それにブールデルの弓を引くヘラクレスが展示してある。これを撮影した時の写真の著作権はどうなるだろう。
 答え:写真の著作権は撮影者にある。もちろんロダンの彫刻の著作権ロダンだ。しかし例外はある。イラストなど平面を撮影した写真には著作権が発生しない。判例があって、表面にわずかに凹凸がある版画を撮影した写真に著作権が発生するか争われた裁判で、著作権は発生しないと言う判決が下りている。平面の撮影では創造性、独創性が生じないというのだ。これに対して立体を撮影した場合は著作権が発生する。依頼されて報酬をもらって撮影した場合でも著作権は撮影者=カメラマンに所属する。依頼者に著作権を与えるためには文書にしなければならない。
 会社の社員が仕事として撮影した場合は、著作権は普通会社に属することになる。