無人島プロダクションのChim Pom 「オーマイゴッド」展が面白かった

 高円寺の無人島プロダクションで開かれている展覧会Chim Pom 「オーマイゴッド」展が面白かった。若い6人の作家たちの共作だという。
 ギャラリーの一画に大きな赤いバルーンがおいてある。天井からはたくさんの小さな風船が吊り下げられている、大きな赤いバルーンは加藤力さんの作品かと聞くと違って、風船ともどもディーゼルエンジン排気ガスで膨らましたのだという。
 またケータイ電話に大きな電球が繋いであり、時々電話がかかってくると電球が光るようになっている。これはスポーツ新聞に有料でエッチ広告を掲載してあって、スケベな男たちが電話をしてくると電球が光るのだという。電話にはテープでエッチな応答がされているそうだ。「有り余った性欲的生体エネルギーが電球を光らせる」のだそうだ。とにかく電話の数が多かった。
 天井からは枯れた太い丸太が吊り下げられていて、その途中から荷造り用の紐が下がっている。これは富士山麓青木ヶ原樹海から持ってきた物で、付近には洋服やら遺書らしきものが書かれたノートが転がっていたという。つまりはここで首を括った人がいたのだ。そこで木の穴から顔を出して写真を撮り樹の精などと言っている。
 次は5人の男と1人の女が半裸または全裸になって写真に写っている。皆ディズニーのキャラクターに似せたスタイルで。これはディズニーシーで撮ったという。あとで係員に注意されたらしいが。
 壁際に小さな人形があった。6人の垢を集めて作ったアカ太郎。高さ1センチくらいあったか。
 CDプレーヤーからは電話の会話が流れている。これは「オレオレ」というプロジェクトで、オレオレ詐欺のパロディで老人の銀行口座に実際に現金を振り込むというもの。皆全然信じてくれなくて、60人目にやっと振り込ませてもらった。それらの電話のやりとりがCDに記録されている。
 別に販売されているDVDも面白かった。ピンクに着色した2リットル近いミルクを飲んでは吐き飲んでは吐き続ける女の子エリ。途中からゲラゲラ笑ってハイになっている。別のトラックでは、包茎のちんちんに顔を描き、ストローを差し込んで息を吹き込むことによってちんちんを膨らませ、沖縄民謡に合わせ腹踊りならぬチンコ踊りをしている。説明してくれていた青年がこれぼくですと言う。おかしかった。
 十数年前渋谷の東急ハンズ前、旧タワーレコード横のマンションの一室で今をときめく村上隆がやっていたヒロポンファクトリーというギャラリーを思い出した。村上もエロポップとか猥雑なことをしていた。また同じ頃京橋のギャラリー山口でやっていた木村太陽のパフォーマンスも連想した。ウォークマンのイヤホンを何十個も口の中にほおばり、同時にたくさんの音を出していた。木村太陽は最近も活躍していて、相変わらずカレーで顔を洗ったりしているらしい。
 このChim Pom のグループ意外に化けるかもしれない。吐き続けた女の子は会田誠山椒魚に寄りそう少女や、同じく滝で遊ぶ大勢のスクール水着の女の子のモデルをしたという。
 無人島プロダクションの今回の展示は8月11日まで(日〜水は休み)。
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