姿勢が違う日本人と外人

 日曜日の朝は少し早めに新聞を買いに近所の新聞販売店まで外出するのが習慣になっている。自転車で一回りして毎日新聞と読売新聞を買ってくる。朝日新聞は契約している。日曜日は書評が掲載されるのでこれら3紙を読むのだ。買い物の途中、よその花壇の花の生長ぶりや季節の移り変わりを見ることもできる。先日はサザンカチャドクガの幼虫が群れているのを見つけた。
 販売店へ向かう途中、遠くに男女二人が何か話しているのが見えた。二人は真向かって話している。喧嘩をしているのではなさそうだ。外人ではないかと思って近づいてみると、黒人の青年と白人の若い女性で和やかに話し合っている。外人だと思ったのは、日本人は喧嘩でもないかぎり、こんな風に正面から対峙しないからだ。体の軸をちょっとだけでも斜めにする。
 以前出勤途中、向こうの方で女性が上の方を見上げているのが見えた。この子は外人ではないかとその時も思った。見上げ方に特徴があったのだ。日本人は普通上の方のものを見上げるとき、まず体を正面に向かせ真っ直ぐ上を見るようにしている。日本人ではないと思った子は、体の向きは変えないで首だけを斜め右にひねって見上げている。その姿勢を見て日本人の姿勢ではないと思ったのだ。近づくとやはり白人の若い娘で、地図を片手に凸版印刷を探していた。きれいな娘でモデルでもしているのだろう。親切に案内してあげたのだった。