太股に結ばれたピンクのリボンは?

 池袋の西武線の改札近くで人を待っているらしい若い娘が、ミニスカート、ニーソックスで片足だけ膝のすぐ上に幅広いピンクのリボンをしていた。それがとてもエロチックだったのはなぜだろう。
 エロチックなのはリボンのせいだ。リボンがなぜ? それで連想するのはプレゼントの飾りだ。つまりリボンの付けられた彼女の太股がプレゼントを思わせたのではないだろうか。プレゼントされる太股、即ち自由にしてと差し出される太股だ。川端康成の「片腕」という小説を思い出した。
 「片腕を一晩お貸ししてもいいわ。と娘は言った。そして右腕を肩からはずすと、それを左手に持って私の膝においた。」(「片腕」より)
 川端の「眠れる美女」は睡眠薬で眠らされた若い娘を老人が一晩添い寝するという話だ。ネクロフィリア(死体愛好)とされている。
 あるいは全く別の理由で、太股のリボンはサディスティックなものを連想させるのだろうか。リボン、ひも、縄のように。縄が太股を縛っているかのように。
 それとももっと単純に露わな太股への矢印、「ここを見て」に相当したのだろうか。
 おっさんスケベだなあ、そんなもの見て喜んでいるだけじゃないの。