東京日本橋で画廊を経営されている磯良（いそら）さんの姓は珍しいものだ。御本人も由来がよく分からないと言われる。ある時中世史の本を読んでいたら、瀬戸内の村上水軍関連でこの姓が登場していた。古い由緒ある名前のようだ。
娘が教わっていた音楽教室の先生の旧姓も変わっていた。中郡（ちゅうぐん）と言うのだ。これも中世を扱った本に出てきて、やはり由緒ある名前のようだった。そういえば中郡さんの親戚は古い地主で東京の墨田区から江戸川区にかけて広い土地を持っているという。
アブラムシの分類の専門家で皇學館大学の宗林（そうりん）先生に不思議な姓ですねと伺うと、この姓は自分の故郷には何軒もあるけれど、それ以外の土地にはない。宗林寺というのは日本各地にあるのだけれどと言われた。宗林先生の故郷は聞きそびれた。
