おそるべし骨董屋!

 東京の日本橋から京橋にかけて骨董屋さんが多い。骨董は高いし、画廊のように気軽には入りづらい。年に1回、日本橋と京橋の骨董屋さんが骨董祭りというのをやっている。この時ばかりは一見のお客さんも歓迎します、どうぞいらっしゃいという趣旨なのだろう。
 せっかくだから何軒か回ったが、どこも丁寧に応対してくれた。ただこちらに私は本来この店の客ではないからという引け目があるので、どこかくつろげない。何軒目かに日本橋高島屋デパート横の小さなビルの6階あたりの骨董屋に入った。夫婦二人でやっているようで、店も狭く何かごたごたしている雰囲気だ。お陰で少しくつろいだ。
 骨董屋さんは一見できて買う客はあまりいないでしょうと聞くと、いえたまにいらっしゃいますよ、この間も初めて見えた女の人が買ってくれました。へえ、いくらぐらいの品物ですか? なに大した品じゃありません、200万の茶碗でした。
 もう、すぐさま失礼したのだった。