声が似ていると顔が似ている

mmpolo2007-01-17




 若い頃の岡田茉莉子はきれいだった。彼女が主演した「秋津温泉」の監督を吉田喜重に依頼し、その後二人は結婚する。吉田が独立プロの現代映画社に移ってからの作品はすべて岡田茉莉子が主演した。「樹氷のよろめき」「炎と女」「女のみづうみ」等々。(「樹氷の〜」には蜷川幸雄が俳優として出演していた)
 吉田の映画にも興味をもって古い作品を見た。大島渚篠田正浩とともに日本のヌーベルバーグと言われて松竹で撮った映画だ。1960年製作の「ろくでなし」というのがある。吉田の処女作だ。津川雅彦主演、ヒロインを高千穂ひづるが演じている。高千穂は全然趣味でなかったので、なんで? と思ったが、映画が始まってすぐに分かった。彼女の声が岡田茉莉子に似ているのだ。それでよく見ると高千穂のあご辺りの線が岡田に似ている。ああ、このあたりが吉田喜重の好みなんだろうと思った。
 この経験から得たささやかな法則:声とあごの形は密接な関係がある。声が似ていればあごの形(顔の下方の形)が似ている。