椿山荘に江戸の地形が露呈している

 椿山荘で部下の結婚式があり、披露宴に呼ばれた折り初めて椿山荘へ足を踏み入れた。もともと大名の下屋敷だったのを明治11年山縣有朋が入手し屋敷としたという。
 庭がすばらしい。広い敷地は段差が大きい。それを生かして傾斜面に木を植え渓流を作っている。それを見たとき、現在の東京との違いに驚いた。現在の東京はほとんどが舗装されており、丘が削られ谷が埋められている。平坦にならされ緩やかな斜面にされている。東京には崖や谷がないものと思っていたのに椿山荘の庭は違っていた。斜面が急で坂道はけっして歩きやすくない。
 おそらくこれが江戸時代の東京だったのではあるまいか。われわれは明治以降今日まで、東京を削り、ならし、埋めてきたのだろう。その東京の原地形が椿山荘に露呈しているのだ。
 以前六本木で乗ったタクシーの運転手が、自分が高校生の頃(昭和40年頃)この辺は林だったのですと言った。六本木が林だった! 


椿山荘のホームページ(歴史の部分)
http://www.chinzanso.com/history/