クリスマスにちなんで、キリストのインスタレーションの紹介を。
12月11日の週に銀座1丁目のギャラリー現で井上修策展があった。アルミ線で等身大のキリストを作り、また7.5センチくらいの大きさのキリストを1,000体作ってレースのカーテンのように吊り下げていた。
その小さなキリスト像がほしいけれど、いくらなら分けてもらえますかと聞くと、売り物じゃないからただであげるよと言われた。作品ですから貰うわけにはいかない、値段をつけてくださいと言うと、では1,000円と言う。1,000円は安すぎる、3,000円ではどうですか? それは高い。それだったら、3,000円で作品ぽくしてください。
そんなやりとりの結果、下の写真の作品になった。化粧箱に入ったとはいえ、高いと思うかも知れない。
浜田庄司のインタビューを見たことがある。大皿にさっと釉薬を流して絵付けをしている。1、2分の絵付けで数十万円は高くないですかと聞かれて、浜田曰くこの絵付けは私の生涯60年プラス1、2分なのだ、と答えた。
井上修策のインスタレーションを少なくとも3回は見ている。テロや戦争をテーマに、コンクリートに固められたプラモデルの拳銃や、同じくプラモデルの戦闘機を使って優れた展示を行っている。
つまり、この小さなキリスト像の背後には井上の作家活動の歴史がつながっているのだ。単なる小さなキリスト像ではない。