国税庁の美術オークション

 銀座のギャラリーアポロが毎月発行しているニュースペーパー「APOLLOMEDIATE」12月号が届いた。
 国税庁のオークションに参加したエピソードが紹介されている。筆者はギャラリーオーナーの秋山修さん。

 オークションが始まった。オークショナーは国税の職員らしく、セリのやり方がぎこちない。出品リストを見ると、殆どが安い絵だ。しかしオークションが始まって、驚いた。マチスの後摺りのジャズのバラシの三点が93万円のハンマープライス
 ヒャー、何だこりゃ、交換会に出てくりゃ、3万位のもの。それが93万、オッタマゲたし、値段を知らない人ばっかりだと思った。
 それから池田満寿夫の八十年代のリトグラフ2点(額付き)が90万円。
 ヒャー、交換会だと、2点で7万円あるかないかだ。ホント、日本は平和だぜと思った。
 あとユトリロのサインの違う銅版画が30万円ちかく。フェー。
 更に、次々と何十万もの値段が付いて、殆どノーテンキ。


 ここで交換会というのは、画商仲間専門のいわばオークション。絵はなかなか売れるものではないので、原価が低い=利幅が大きい。だから画商仲間での取引価格はものすごく安いのだ。