ギュスターヴ・モロー

戦前、野見山暁治が芸大で学んだ頃、教授の言うとおりに描かなかった学生はその場で退学させられたという。


ギュスターヴ・モローマチスとルオーを教えた。
この師と弟子には全く共通点がないように見える。
モローは神話の世界を美しく妖しく、ある種写実的に描いた。
なのになぜその弟子にマチスやルオーが生まれたのか?


モローの回顧展を見て分かった。
モローの人物画(神々の像だから人物画ではないが)はリアルで細密に描かれているけれど、一転して衣服は荒々しい筆触で描かれている。
その衣服の描き方の延長上にマチスやルオーがあるのはよく理解できた。


確かにマチスもルオーもモローの弟子なのだった。