風俗

犬の前では裸も平気

朝日新聞連載の「悩みのるつぼ」で10代の女性が「自分は羞恥心がない」と相談している(2016年1月16日)。 私は10代半ばの女性です。でも10代の女であるにもかかわらず、羞恥心が欠けているようなのです。(後略) 彼女は男性の担任教師が教室にいるときでも…

福岡伸一の巨乳論に疑問

福岡伸一が朝日新聞に巨乳論を展開している(2015年12月24日)。「福岡伸一の動的平衡」という連載コラムの4回目、その「完璧な対にこそ美しさ」を紹介する。 巨乳に惹かれる男は多い。なぜ? この疑問を生物学的に解こうとすると行き着く先は必ず進化の物語…

須藤靖のエッセイ「「青木まりこ」現象にみる科学の方法論」を読んで

東大出版会のPR誌『UP』12月号に須藤靖の「「青木まりこ」現象にみる科学の方法論」というエッセイが載っている。不定期連載の「注文の多い雑文」の32回目だ。なおこの「注文」は「ちゅうぶん」と読み、章末に注がたくさん列記されているのでこの題名になっ…

流れ星に願いを

朝日新聞の朝日歌壇に流れ星に願いをかける歌が載っている(11月23日)。 流れ星が消えないうちに願いごとひとつ言えるかな小さな夢の 作者は名古屋市の中村桃子、馬場あき子が選んでいる。その答え「無理です」。 以前『Weeklyぴあ』に「はみだしYouとPia」…

『芥川竜之介俳句集』を読んで

加藤郁乎 編『芥川竜之介俳句集』(岩波文庫)を読む。明治34年、芥川満9歳のときの俳句から昭和2年35歳で亡くなるまでの1,159句と、そのほか11の連句と川柳が集められている。 9歳で作った句が次のもの。 落 葉 焚 い て 葉 守 り の 神 を 見 し 夜 か な …

森巣博『賭けるゆえに我あり』を読む

森巣博『賭けるゆえに我あり』(徳間書店)を読む。これが無茶苦茶おもしろかった。著者はプロの賭博士で海外のカシノで巨額の現金を賭け、その上がりで生活している。もう何十年もそんな生活をしているという。きわめて特殊な体験を積んでいて、その豊富で…

おそざわ歯科とは? そしてニホンカワウソについて

普段通らない道に「おそざわ歯科」と書かれた看板があった。初めて聞く名前だが平仮名だ。どんな字を当てるんだろう。もしかしたら「獺沢」かもしれないと思ったのは日本酒の獺祭を連想したからだ。 最近日本酒の獺祭(だっさい)という銘柄が売れているとい…

太宰治『人間失格』の「ワザ。ワザ」

新橋のシオサイトには日本テレビがある。それで地下通路というか地下広場には日テレの大きなポスターが貼られている。それを見ると太宰治『人間失格』を思い出す。 その日、体操の時間に、その生徒(姓はいま記憶していませんが、名は竹一といったかと覚えて…

『日本の官能小説』を読む

永田守弘『日本の官能小説』(朝日新書)を読む。副題が「性表現はどう深化したか」という立派なもの。朝日新聞の書評で三浦しおんが紹介していた(5月24日)。 終戦直後から現在までのあいだに、官能小説はどのような変遷をたどってきたのか。官能表現の進…

お嬢様聖水という飲み物

新宿の地下道に貼られていたポスターが目に入った。新しい缶入り飲料「お嬢様聖水」の広告だった。キャッチフレーズが「私の中の女神が目覚める」とあり、ショルダーが「植物発酵エナジードリンク」となっている。ポスターや製品のイラストから見て、若い女…

先崎学という将棋棋士のこと

毎日新聞の書評欄に連載されている「昨日読んだ本」というコラムの今日(5月3日)の筆者は将棋棋士の先崎学だった。先崎は3冊の文庫本を取り上げている。 『イグ・ノーベル賞 世にも奇妙な大研究に捧ぐ!』(講談社+α文庫)はたしかに笑えるし、考えさせ…

美人とは何か

美人とは何だろう。絶世の美女が存在する。エリザベス・テイラーとかオードリー・ヘップバーンとか吉永さゆり、夏目雅子、後藤久美子、でもそのような美人ではなく、普通に身近にも美人は存在する。美人とはなんだろう。 職場にも趣味のサークルにもクラスに…

吉行淳之介『女をめぐる断想』と『私の東京物語』を読む

吉行淳之介『女をめぐる断想』(角川春樹事務所)と『私の東京物語』(実業の日本社)を続けて読む。前者は吉行が亡くなったあと編集された。後者は存命中に山本容朗によって編集され、有楽出版社が発行し実業の日本社が発売している。 『女をめぐる断想』は…

浮気のすすめ?

朝日新聞の人生相談「悩みのるつぼ」で、「新婚2カ月後から主人に8カ月間浮気をされ」た女性が、自信を失ってしまったと相談を寄せている(1月10日)。回答者は三輪明宏。その回答から、 そもそも浮気をしない男は「無形文化財」だと思ってください。希少…

どうして男たちは巨乳を好むのかーー巨乳論の試み(再録)

7年半前の2007年6月20日に「どうして男たちは巨乳を好むのかーー巨乳論の試み」を書いてこのブログにアップした。そこそこの反響ももらったが、あれからだいぶ経っているので、ここにそのままの形で再録した。巨乳好みについて正確に分析したのは私が初め…

赤い口紅の女性は・・・

まだ21、2歳だった頃、「おまえのセクスはまだ聴覚を持たぬか」という1行を含んだ詩を書いた。それを読んだ親しかった友人のKが、「××よ、早く女を抱け」と言った。そう言われていささか動揺した。Kはすでに彼女と同棲していたが、私はまだ女性経験がなかっ…

アートディレクターの意図は?

新聞広告のコピー「家内も驚く、/男の活力、きた。」とある。若い女性がカップを持ってこちらを向いている。精力剤の広告だ。さて、女性の視線の先にあるものは何だろう? 広告はクライアント(依頼主)、アートディレクター、コピーライター、カメラマンな…

『ヌードと愛国』を読む

池川玲子『ヌードと愛国』(講談社現代新書)を読む。標題から想像する内容とは違い、真面目な研究書だ。それもそのはずで、著者池川は若桑みどりに師事した日本近代女性史が専門の研究者なのだ。 本書は7つの章からなっている。章題とその副題を列挙すると…

蜷川幸雄の憂い、教養がない俳優たち

朝日新聞夕刊に連載の蜷川幸雄のエッセイ「演出家の独り言」の11月7日のタイトルは「イケメン俳優人気への憂い」というものだった。 かっこいい若者たちの、いわゆるイケメン俳優たちの演劇が、女の子たちに評判がよくて、大勢の観客を集めているというので…

『ビゴー日本素描集』を読んで

清水勲 編『ビゴー日本素描集』(岩波文庫)を読む。先日続編を読んだので、今回正編を読んだ。ビゴーはフランス人で、明治15年に来日し、18年間の滞日中に数多くの雑誌や画集を出版した。その中に多くの素描を描いている。「東京・神戸間の鉄道」から、 前…

アナイス・ニンの深い官能

矢川澄子『アナイス・ニンの少女時代』(河出書房新社)を読む。矢川はアナイス・ニンの日記『ヘンリーとジューン』(杉崎和子 訳:角川文庫)を引用して、これを読んでアナイス・ニン観は180度変ってしまったと書く。アナイスは夫ヒューゴー・ガイラーがあ…

『続ビゴー日本素描集』を読んで

清水勲 編『続ビゴー日本素描集』(岩波文庫)を読む。ビゴーはフランス人で、明治15年に来日し、18年間の滞日中に数多くの雑誌や画集を出版した。その中に多くの素描を描いている。ビゴーの描いたものは、日本人とその生活、外国人居留民とその生活、日本と…

『男子の貞操』を読んで

坂爪真吾『男子の貞操』(ちくま新書)を読む。副題が「僕らの性は、僕らが語る」というもの。題名から想像される内容とは全く異なり、きわめてまじめで重要なことを言っている。著者紹介を見ると1981年生まれでとても若い。内容から経験豊富な中年男性…

「悩みのるつぼ」に相談を寄せた70代女性

朝日新聞の人生相談欄「悩みのるつぼ」に70代の女性が相談を寄せた(2014年7月5日)。タイトルが「こんな年で恥ずかしながら」となっている。回答者は経済学者の金子勝。 70歳に足を踏み入れた女性です。5年前に夫に先立たれて一人暮らし。2人の息子も家…

岡田斗司夫『オタクの息子に悩んでます』を読む

岡田斗司夫『オタクの息子に悩んでます』(幻冬舎新書)を読む。これは朝日新聞に連載している人生相談「悩みのるつぼ」から岡田が担当した分をまとめたものだ。とは言ってもただまとめたのではなく、朝日新聞の編集部から渡された相談の手紙に対してどう答…

本橋信宏『東京最後の異界 鶯谷』を読む

本橋信宏『東京最後の異界 鶯谷』(宝島社)を読む。以前読んだ森川嘉一郎『趣都の誕生』(玄冬舎)の類だろうと思った。『趣都の誕生』は2003年に単行本が発行されたもので、オタクの街としての秋葉原を紹介している。これが発行された10年前はまだ秋葉原に…

纏足の女性との結婚式が興味津々だ

『吉行淳之介全集』(新潮社)の第11巻は「全恐怖対談」と題されていて、恐怖対談シリーズ4篇が収録されている。その内の「恐・恐・恐怖対談」に森繁久彌との対談が収録されている。その森繁が語る中国の纏足女性との結婚式の話が驚きだった。 戦前の中国に…

プラス思考とマイナス思考

朝日新聞の「耕論」のテーマが「居場所を求めて」だった。むかし「たのきんトリオ」というアイドルグループで活躍していた野村義男が「大ヒットなくて良かった」と語っている(10月1日)。 1990年、バンド(たのきんトリオ)が活動休止になり、ジャニーズ事…

「悩みのるつぼ」の驚くような相談

朝日新聞に連載されているコラム「悩みのるつぼ」、いつも驚くような相談と回答が掲載されているが、8月最後の土曜日の相談にはびっくりした。回答者は上野千鶴子で、その回答は一応予測の範囲内だったが。その驚いた相談、 私79歳、主人88歳。 主人は4年…

「悩みのるつぼ」の相談がおもしろい

朝日新聞に連載されているコラム「悩みのるつぼ」のQ&Aがなかなかおもしろい。留保付きなのは、経済学者の金子某氏のように常識的な回答者もいいるからだ。私は回答者では、上野千鶴子や車谷直吉のファンだが、車谷は回答者を辞めてしまった。今回紹介する岡…