社会

マナーとは何か――村上リコ『図説 英国社交界ガイド』を読む(再録)

以前マナーについて書いた(4月30日)。それに付け加えることがあったので、ここに再録して、養老孟司のマナーに関する意見を追加する。 村上リコ『図説 英国社交界ガイド』(河出書房新社 ふくろうの本)を読む。副題が「エチケット・ブックに見る19世紀英…

二宮敦人『最後の秘境 東京藝大』を読んで

二宮敦人『最後の秘境 東京藝大』(新潮社)を読む。副題が「天才たちのカオスな日常」というもの。二宮の妻が藝大彫刻科に在籍している関係から、藝大生たちにインタビューしてそれをまとめたもの。事実面白い内容だが、出版社がことさら面白おかしく宣伝し…

マナーとは何か――村上リコ『図説 英国社交界ガイド』を読む

村上リコ『図説 英国社交界ガイド』(河出書房新社 ふくろうの本)を読む。副題が「エチケット・ブックに見る19世紀英国レディの生活」。18世紀の産業革命の結果、19世紀にイギリスではブルジョワジーが繁栄を極めた。豊かになった中流階級が貴族や地主たち…

驚くべき社会の変動

マッキンゼーが驚くような未来を予測しているという。 車の自動運転化は、職業運転手を不必要にし、交通事故の減少によって保険業界を激変させる。人工心臓への需要を高める可能性もある。死亡事故が減ると臓器の提供者が減るからだ。 ひとつのブレークスル…

佐藤優『君たちが知っておくべきこと』を読む

佐藤優『君たちが知っておくべきこと』(新潮社)を読む。副題が「未来のエリートとの対話」とあって、灘高校の生徒たちと3年にわたって3回対話したことの記録である。2013年と2014年、2015年のそれぞれ4月に灘高生たちが佐藤の家に集まって対話というか、佐…

仏国務院副院長が語る憲法

フランス国務院副院長ジャンマルク・ソヴェが憲法について語っている(朝日新聞、12月2日付け「オピニオン&フォーラム「憲法の価値を守るもの」)。 フランスの国務院の役割は、政府提案の法律が憲法や国際条約に照らして適当か否かを答申したり、行政裁判…

お客様は神様

朝日新聞の「オピニオン&フォーラム」で「過労をなくすには」をテーマに3人が意見を寄せている(11月29日)。電通で起きた過労による自殺をめぐって対策案を提案しているが、その中でネットニュース編集者の中川淳一郎が、大手広告代理店は給料もいいし社会…

永六輔『職人』を読む

永六輔『職人』(岩波新書)を読む。1996年初版発行、先に永が亡くなったためか、書店で平積みになっていた。私が購入したのが2014年発行の26刷りだった。人気のある著者のロングセラーだ。 永は通産省が禁止した曲尺、鯨尺を職人たちに届けるために、逮捕覚…

東京の海抜(その4)

東京中央〜東部の海抜。海に近い勝どき駅が海抜1.6mなのに、内陸の墨田区中央の八広が海抜−1.4mだ。縁の方が高くなっている。 東京メトロ半蔵門線・銀座線・千代田線 表参道駅:海抜33.7m 東京メトロ日比谷線 六本木駅:海抜31.6m 東京メトロ銀座線 外苑前駅…

紛らわしい硬貨

娘がネットで購入した品代を私が立て替えていた。それを大きな札で支払ってくれるというので釣りが必要になったが、手許に100円硬貨がなかった。しかたなく貯金箱から数枚の100円玉を出して娘に渡そうとした。父さん、これ違うよ、100円じゃないよ。何を言っ…

名前の読み方

キラキラネームとやらが流行っているらしい。小学校で新入生の名前を先生が読めるのがやっと3分の1だと聞いた。最近知った名前は「一二三」と書いて「ワルツ」と読むと言う。実は戸籍には読み方を規定する規則はない。仮名はともかく漢字をどのように読むか…

東京の海抜(その3)

東京中央〜東部の海抜。 東京メトロ半蔵門線・銀座線・千代田線 表参道駅:海抜33.7m 東京メトロ副都心線 北参道駅:26.3m 都営地下鉄大江戸線 国立競技場駅:海抜24.9m 東京メトロ東西線 神楽坂駅:21.9m 東京メトロ千代田線 千駄木駅:6.7m 東京メトロ千代…

相川俊英『奇跡の村』を読んで

相川俊英『奇跡の村』(集英社新書)を読む。過疎化によって消滅するのではないかと噂されている地方自治体。その中でよく健闘している3つの村や町を訪ねて、それらの秘密を解き明かしている。 最初に取り上げられたのが長野県下伊那郡下條村。飯田市よりさ…

片山杜秀『見果てぬ日本』を読む

片山杜秀『見果てぬ日本』(新潮社)を読む。副題が「司馬遼太郎・小津安二郎・小松左京の挑戦」というもの。小松に未来への総力戦、司馬に過去へのロマン、小津に現在との持久とのキャッチを付している。 小松は未来を語る。1970年の大阪万博のテーマ「人類…

模索舎という書店へ行ってみた

先月朝日新聞に模索舎という名の書店が紹介されていた。まだ営業しているんだと驚いた。模索舎は40年ほど前何度か出入りしていた。客として本を買っていただけだが。新宿の目立たない片隅に出店していて、政治的に過激な本を扱っていたという印象がある。政…

色川武大『うらおもて人生録』がおもしろい

毎日新聞に「昨日読んだ文庫」というコラムがあり、文化放送ディレクターの首藤淳哉が『うらおもて人生録』を取り上げている(2015年11月15日)。 失敗を重ね、ほとほと自分に嫌気が差したときに決まって手に取る1冊が色川武大著『うらおもて人生録』(新潮…

東京の海抜(その2)

東京中心部の海抜。 東京メトロ半蔵門線・銀座線・千代田線 表参道駅:海抜33.7m 都営地下鉄大江戸線 国立競技場駅:海抜24.9m 東京メトロ千代田線 根津駅:海抜5.5m 東京メトロ日比谷線 小伝馬町駅:海抜4.7m 東京メトロ日比谷線 秋葉原駅:海抜4.6m 都営地…

仕事の極意

私も20歳からもう半世紀近く働いてきた。その間に身につけた仕事の極意を公開したい。 まず重要なモットーを紹介する。 ・仕事に関しては「面倒」と言わない。 仕事というものは総て面倒なものなのだ。あえて面倒なことをして対価を得ている。仕事に対して面…

須藤靖のエッセイ「「青木まりこ」現象にみる科学の方法論」を読んで

東大出版会のPR誌『UP』12月号に須藤靖の「「青木まりこ」現象にみる科学の方法論」というエッセイが載っている。不定期連載の「注文の多い雑文」の32回目だ。なおこの「注文」は「ちゅうぶん」と読み、章末に注がたくさん列記されているのでこの題名になっ…

上原善広『被差別のグルメ』を読む

上原善広『被差別のグルメ』(新潮新書)を読む。以前読んだ同じ著者の『被差別の食卓』の続編的な書。有意義でとても興味深い。上原は自分が被差別部落=同和地区出身であることを隠すことなく、そのことを前向きに語っていく。作家の中上健次にならって同…

東京下町の海抜

東京下町の海抜。 東京メトロ日比谷線 小伝馬町駅:海抜4.7m 東京メトロ日比谷線 秋葉原駅:海抜4.6m 都営地下鉄新宿線 岩本町駅:海抜3.5m 東京メトロ日比谷線 人形町駅:海抜3.5m 墨田区両国4丁目(京葉道路沿い):海抜1m 墨田区立花1丁目 都立公園:海…

単純作業は女性に向いているのか?

渡辺淳一が単純作業は女性に向いていると言っている。渡辺淳一『わたしの女神たち』(集英社文庫)から、 もう大分前ですが、ある時テレビを見ていると、将棋の升田九段が出てきて、「女はだめだ。女はものを創り出す創造力がない」というようなことを言って…

最相葉月『セラピスト』を読む

最相葉月『セラピスト』(新潮社)を読む。最相は以前『絶対音感』を読み、とても感心したが、本書はさらに優れた仕事だと言える。 最相が精神科医中井久夫によるカウンセリングを受けるところから始まる。中井は最相に絵画療法を行う。白い紙に中井が縁を枠…

変わったメッセージ

お願い 過日、男性用トイレにおいて、悪質な「いたずら」が発生いたしました。 個室の便器にペーパーを大量に詰まらせ、 故意に使用不能にし、男性のお客様に 女性用トイレの使用を促すものです。 そうして騒ぎをおこし、その様子を楽しむ愉快犯の可能性が考…

岩波ブックレット『非核芸術案内』を読む

岡村幸宣『非核芸術案内』(岩波ブックレット)を読む。ブックレットシリーズなので64ページしかない。副題が「核はどう描かれてきたか」。岡村幸宣は原爆の図丸木位里美術館の学芸員。 4つの章で構成され、「原爆を表現する」「第五福竜丸の被ばくと原発」…

中沢新一対談集『惑星の風景』を読む

中沢新一対談集『惑星の風景』(青土社)を読む。1999年から最近までの対談で、今日の時点から見ても内容が古びていないものを選んで編んだという。中沢初めての対談集だ。 対談相手は、レヴィ=ストロース、ミシェル・セール、ブルーノ・ラトゥール、吉本隆…

上野千鶴子『身の下相談にお答えします』を読む

上野千鶴子『身の下相談にお答えします』(朝日文庫)を読んだ。朝日新聞の土曜日に掲載された人生相談「悩みのるつぼ」の上野の回答をまとめたものだ。「悩みのるつぼ」は4人の回答者が交替で回答している。上野のほかは、車谷長吉、岡田斗司夫、金子勝だ…

佐高信『戦後を読む』を読む

佐高信『戦後を読む』(岩波新書)を読む。副題が「50冊のフィクション」というもの。すべて日本の小説で、小説を素材に戦後社会を論じている。ただ、これが出版されたのが1995年で、ほぼ20年前になる。発行直後に読み、今回久し振りに読み直した。 やはり20…

林典子『人間の尊厳』を読む

林典子『人間の尊厳』(岩波新書)を読む。標題の前にフォト・ドキュメンタリーと付されている。林は報道カメラマンだ。1983年生まれ、大学在学中の2006年、アフリカのガンビア共和国の新聞社で写真を撮り始める。その5年後早くも名取洋之助写真賞受賞、201…

岡田斗司夫が教える男の見分け方

朝日新聞の連載コラム「悩みのるつぼ」で岡田斗司夫が大人の見分け方を教えている(4月5日)。これがとても説得力がある。 相談者は14歳の女子中学生で、塾の大学生の7歳年上の先生が好きになった、先生が塾を辞めてしまうので、その前に告白したほうがい…