文化

コンビニのゆで卵の謎

コンビニのサンドウィッチにはゆで卵が挟んである。そのゆで卵はすべて大きな円をしている。ゆで卵の両端の白味だけの部分とか、端に近い黄味が少ない部分が入っていることはない。それらは何に使われているのだろう。コストの追求が課題のコンビニだ、まさ…

首都医校の広告への疑問

やなぎみわという1967年生まれの現代美術作家がいる。デパートの案内嬢のコスチュームを着たモデルたちの写真を撮り、CGで加工した作品などでデビューした。その後2005年の原美術館の個展では、ガルシア=マルケスの「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じ…

印象に残った講演会3つ

今までに強く印象に残った講演会が3つある。もう30年以上前にNHK教育テレビで見た加藤周一の講演会、しかし感動したこと以外もう覚えていない。 十数年前に目黒区立美術館で聴いた宇佐美圭司の講演会。はじめに、この間ジャスパー・ジョーンズと飯を食べた…

筆跡鑑定は信じられるかもしれない

仕事で多くの若者の住所と名前の直筆を見ている。すると筆跡にいくつかのパターンがあることが分かる。ちまちまとした小さな文字、「八」の字のように下向きに開いた無警戒な文字、四方に広がった文字等々。これらを見ているとヴァルター・ベンヤミンを思い…

図書館の利用法

昔カミさんに出会ったころ、公共図書館を利用することを教わった。これが案外知られていない。図書館の機能のひとつに情報サービスがある。私は仕事上で分からないことがあると、しばしば東京都立中央図書館に電話して教えてもらった。カミさんは「インフォ…

シランという花、過剰な敬語

小学校5、6年生の頃の担任が宮嶋先生と言った。ある日宮嶋先生はわれわれに、みんなはこの花の名前を知っとるかと聞いた。われわれ一同は「知らん」と答えた。先生はそうだと言った。この花はシランという名だ。それ以上のことを教わったかどうかもう憶えて…

写真から読みとれること

これはチャイルド・スポンサーシップの新聞広告だ。アフリカの貧しい子供の写真だ。月額4,500円を支払ってチャイルド・スポンサーになって貧しい環境の子どもたちを支援してほしいとのキャンペーン広告だ。 しかし今回この広告を取り上げたのは、この子の目…

ブランドの魅力、PapasとNewYorker

Papasというブランドの製品をいくつか持っている。最初に買ったのはハンカチで、ただの白い木綿のハンカチだが、不思議にきれいでもう10年愛用していた。昨夜の洗濯でさすがに柔らかく弱っていた生地が裂けてしまった。一番大事に着ているワイシャツもPapas…

飯田市への旅

中央高速バスで飯田市へ行った。バスの中ではビールを飲んで寝ているか起きていれば本を読んでいるが、たまに車窓に目を向けることがある。遠く近くの樹林の中に色彩が浮かび上がっている。白いのはウワミズザクラか、紫色の桐や藤の花、高速道路の土手には…

寿司屋の値段

もう30年以上前になるが、寿司屋で面白い体験をした。知人と飲んだ後、彼のなじみの寿司屋へ行った。そこの寿司がうまかったので、後日寿司好きのカミさんと二人で行った。飲屋街にあって酔客を相手にしているようで、早い時間に行くとほかに客が誰もおらず…

葬式の仕来りを皆知らない

葬式の仕来りをだいぶ誤解していたようだ。私だけでなく、日本人一般が。藤枝静男「私々小説」より (母が)死んで住持が枕経をあげに来たとき、綺麗に磨いて遺骸の胸に乗せておいた果物ナイフは法にかなわなぬから剃刀を出せと命令された。手当たり次第に家…

外神田の食べ物屋

秋葉原駅の北側を外神田と言って、昔は青果物市場があった。その跡地がいまは新しいビル街になっている。これはまだ青果物市場があった頃の話。外神田の北端近くにお昼サラリーマンで一杯になる古そうな食堂があった。数種類の定食を出していたが、どの客に…

タイピングの重要性についての疑問

ル・クレジオ「調書」のまえがきから、 こんな風に理論をいくつも積み上げてしまって申し訳ありません。こういう自惚れは、今日いささかはやりすぎているものです。私が訂正したあとにもまだ文中に残っているかもしれない。ぴったりしない表現や誤植について…

朝日新聞の原稿料

4月2日の朝日新聞の夕刊に私の好きな画家山口晃のエッセイが掲載された。週に1回、5回の連載だという。1回が400字詰め原稿用紙で2枚弱の分量だ。 月がわりの此(こ)のコラム。4月分は5回あるから、1回は自己紹介にあてよと、担当さんがおっしゃる…

黄色い線の内側はどちらだろう

JRや私鉄の駅で、電車が入って来るので黄色い線の内側までお下がり下さいと構内放送がある。その黄色い線たるや幅30センチの視覚障害者(この偽善的な言葉!)用のぶつぶつがある板のことだ。こんなに広くて線というのだろうかと違和感があった。これは帯だ…

名前の読み方は変えることができる

小学校時代の同級生に「てるお君」という名前の男の子がいた。漢字で「昭男」と書いた。普通の読み方では「あきお君」だ。たぶんお父さんが「照男」と間違えて戸籍係へ届けてしまったのだろう。役所は漢字の読みまでは干渉しないシステムになっているので、…

不思議な句点の使い方

看板に不思議な句点「。」を見つけた。 「昭和。27年」は亀戸駅のホームの前に立っている眼科の看板で、「昭和。27年開業」とある。 もう一つ、「サン。エム」は秋葉原駅前のビデオ屋の看板。どちらも不思議な句点の使い方だ。こんなに堂々と使われていると…

ニコニコ動画を見て

帰宅するとパソコンの前に座っている娘が、父さん面白いから一緒に見ようよと言うので、ちょっとだけ付き合うつもりが気がつけば2時間が経過していた。彼女が見ていたのはニコニコ動画で初音ミクが歌っているやつだ。最初にモーツアルトの「魔笛」の「夜の…

ユダヤ人の条件

サリンジャーの伝記を読んでいると、彼が母親の旧姓を聞かれていらつくシーンがある。サリンジャーは父親がユダヤ人だが、母親はユダヤ人ではなかった。それは姓を聞けばすぐわかる。ユダヤ人の条件は母親がユダヤ人であることだ。父親の人種は問われない。…

日本語の消滅がせまっている!

言語学者の田中克彦が岩波書店のPR誌「図書」2月号に「『ことば喰い』の世紀のエスペラント」というエッセイを寄せている。 現在地球上で使われている約7,000の言語のうち、半数が今世紀中に姿を消すという。人々が自分の言葉を捨てて大言語に乗り換えてい…

万年筆が高くなったのはしかたない

中学生の時、従兄に万年筆をもらった。それ以来筆記具は万年筆だった。授業で鉛筆を使ったのと、会社に入って複写式の伝票などにボールペンを使った以外は。パイロット、セーラー、パーカー、いろいろ使ったがほとんどもらい物か拾ったものだった。 勤めてい…

日本語のピジンイングリッシュ化を危惧する

mixiのあるコミュの掲示板に若者がイベントの告知をしていたが、詳しくはこの「フライヤー」でと書いていた。フライヤーってちらしだ。どうしてちらしって書かないのか。英語を使えばかっこいいと思っているのだろうか。ケーキは洋菓子で菓子ではないが、フ…

皇居の三の丸尚蔵館へ行く

皇居にある三の丸尚蔵館へ展覧会を見に行ったときのことだ。三の丸尚蔵館は昭和天皇が寄贈した美術品を収蔵し展示するための小さな、しかし内容は豪華な美術館だ。なぜか宮内庁は宣伝に熱心でないように見受けられる。大手門を入ってすぐの所にある。 そこへ…

新聞の文章は分かりやすさを旨としている

新聞社へ投稿した文章がだいぶ直された。 「友人は魔孤さんの絵を2枚だけ持っているという。実家にあるから今度持ってきて見せてあげるよ。約束はまだ果たされていない。」 これが「実家にあるから今度持ってきて見せてあげるよ、と友人は言った。その約束…

名文の秘密ーー野見山暁治の文章修業

画家の野見山暁治は文章の巧さでも傑出している。1920年に福岡県に生まれ、小学校のときから絵を描き、東京美術学校(現東京芸大)に入学する。陸軍に入隊したがまもなく肋膜で入院、傷痍軍人療養所で終戦を迎える。1952年31歳のときフランス政府私費留学生…

コンセプトとしての「白いクラウン」

会社の若手社員にコピーライター養成講座に通わせた時、彼女の持ち帰ったテキストを見て驚いた。「コンセプト」という考え方の例としてトヨタの「白いクラウン」が挙げられていたのだ。35年前私も同じ講座(私は通信教育)で学んだのだが、その時も同じ「白…

ドイツの哲学者ヘリゲルの伝える日本の弓道

アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真展を東京国立近代美術館で見た。ブレッソンは戦後日本にも取材旅行に来ている。ドイツの哲学者ヘリゲルの「弓と禅」を読んで日本への関心を持ったのだという。ヘリゲルは戦前日本に招かれて東北帝国大学で哲学を講義し…

辛い料理への嗜好

司馬遼太郎の「街道をゆく」20巻「中国・蜀と雲南のみち」に四川省の人が唐辛子を好むというくだりがある。 私はかつて北京で四川出身のスポーツマンに会ったことがある。彼は北京じゅうの唐辛子を集めて食えといわれても私は大よろこびするばかりです、と冗…

巨乳という文化の成立基盤

最近、長友健二「アグネス・ラムのいた時代」(中公新書ラクレ)という本が発行された。店頭で立ち読みしたが、口絵にアグネス・ラムの当時の写真が載っていて懐かしかった。30年前、日本の若い男たちはみんなアグネス・ラムに夢中になったのだ。可愛いのに…