2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧
グレアム・グリーン『ジュネーヴのドクター・フィッシャー』(ハヤカワ文庫)を読む。カバーの惹句から、 スイスのチョコレート製造会社に勤務する平凡な事務員ジョーンズは、全くの偶然から30も年下のアンナ・ルイーズと知りあい、愛しあって結婚した。彼女…
東京銀座の資生堂ギャラリーで佐藤壮馬展「おもかげのうつろひ」が開かれている(5月21日まで)。本展は資生堂が主催する公募プログラム「第16回shiseido art egg」入選者3名による個展の3人目。3人の個展が終ったあと、一人にグランプリが与えられる。 …
山本弘「一本の道」(仮題)、油彩、F10号(天地53.0cm×左右45.5cm) 1976年の飯田市勤労者福祉センターでの個展で発表され、1994年京橋の東邦画廊での第1回遺作展に展示された。東邦画廊では「傘」と題して展示され、以前ここでも「傘」として紹介した。今…
東京神楽坂のeitoeikoで「桜を見る会」が開かれている(4月29日まで)。当時の安倍晋三総理が主催した「桜を見る会」だったが、いろいろ問題があって中止されてしまったので、 楽しみにしていた人たちのためにeitoeikoの癸生川ディレクターが企画して開催さ…
川端康成『みずうみ』(新潮文庫)を読む。高校教師桃井銀平が教え子と関係し職を追われる。退職後もその教え子と付き合っていたが、彼女の親に見つかり離れ離れにされる。桃井銀平は別の少女を見初めストーカー行為を繰り返す。 解説で中村真一郎が本作を絶…
東京銀座のコバヤシ画廊で前本彰子展「花留姫縁起」が開かれている(5月6日まで)。前本は石川県に生まれる。1980年京都精華短期大学絵画専攻科卒業、1982年Bゼミスクール修了。1983年よりコバヤシ画廊をはじめ個展多数。 うさぎ姫 花留姫 昨年同様今年も…
東京京橋のギャラリー・ビー・トウキョウで森下進士展が開かれている(4月29日まで)。森下は2010年東京藝術大学絵画科油画専攻を卒業し、2012年同大学大学院美術研究科研究領域油画を修了している。2009年にガレリアMで初個展、今回はやっと2回目の個展と…
マリオ・バルガス=リョサ ほか『ラテンアメリカ五人集』(集英社文庫)を読む。 本書には、ホセ・エミリオ・パチェーコ「砂漠の戦い」、マリオ・バルガス=リョサ「子犬たち」、カルロス・フエンテス「二人のエレーナ」、オクタビオ・パス「白」「青い花束…
熊谷はるか『JK、インドで常識をぶっ壊される』(河出書房新社)を読む。中学3年で父親の転勤に伴ってインドへ移住し、インターナショナルスクールへ入ってインドで3年間を過ごした記録。インド人とのつき合い、インド人の食事、メイドたちとの生活、インド…
東京日本橋小舟町のガルリHで田中綾子展「やすらかに歩いて」が開かれている(4月29日まで)。田中は1993年大阪府生まれ、2019年に東京藝術大学美術学部彫刻科卒業、2021年同大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了している。ガルリHでの個展は昨年に続いて3…
東京四谷三丁目のTS4312で柴田和展が開かれている(4月30日まで)。柴田は1934年生まれ、帝国美術学校(武蔵野美術大学の前身)を卒業。1960年代、美術グループ乱立の時代はネオ・ダダのメンバーらとも一緒に活動していた。1963年、最後の読売アンデパンダ…
東京銀座の藍画廊で井上修策展「layered sculpture-律動体-」が開かれている(4月22日まで)。井上は1984年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業している。長年ギャラリー現で個展を開いていたが、最近はギャラリーQで開催していた。 井上のコメント、…
東京京橋のギャラリーなつかで瀧田亜子展が開かれている(4月22日まで)。瀧田は東京生まれ、青山学院女子短期大学芸術学科を中退した後、中国ウルムチの新彊大学や杭州市の中国美術学院で書を学んでいる。帰国後早見芸術学院で日本画を学んだ。2003年ギャ…
東京銀座のコバヤシ画廊で服部繭展が開かれている(4月22日まで)。服部は福島県生まれ、日展審査員伊藤応久、芸術院会員織田廣喜、フランスのポール・アンビーヌに師事している。1984年にル・サロン初入選、1991年兜屋画廊で初個展、その後ギャラリーなつ…
東京銀座のポーラ ミュージアム アネックスで「ポーラ ミュージアム アネックス展2023-自立と統合-」(後期)が開かれている(4月16日:今日まで)。後期は秋山美月、永井里枝、佐藤幸恵が取り上げられている。 秋山美月は1992年イタリア生まれ、2016年琉…
小谷野敦『川端康成と女たち』(幻冬舎新書)を読む。川端の文学に現れる女性たちのモデルを探っている。いつもながら小谷野は品が悪いが、『雪国』の分析など教えられることが多かった。『雪国』は川端があちこちの雑誌に書き継いで後にそれを単行本にして…
カミュ『異邦人』(新潮文庫)を読む。『異邦人』は50年以上前、繰り返し読んだ本だ。おそらく10回は読んだのではないか。自分の中では詩集を除けば最も繰り返し読んだ本だ。次いで読んだのがル・クレジオの『調書』だった。『調書』は18歳の時から数年間は…
東京銀座のギャラリー小柳で須田悦弘展が開かれている(6月24日まで)。須田は1969年山梨県生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。植物を精密な木彫で作って彩色している。それは見事な造形で、バラや雑草の薄い花びらやごく微小な葉っぱなどを…
東京原宿のBLUM & POEで上田勇児展が開かれている(4月28日まで)。上田は信楽を拠点として活動している陶芸作家。ギャラリーのホームページによると、 上田の陶芸作品はみなぎる活気と動的なエネルギーを捉えており、今にも破裂しそうなその形体や、多種多…
東京六本木のストライプハウスギャラリーで小堀令子展が開かれている(4月13日まで)。小堀は東京生まれ、1970年武蔵野美術大学を卒業している。祖父は著名な日本画家小堀鞆音で、鞆音は安田靫彦の師だった。令子は現在立軌会会員で、個展は御茶の水画廊、…
東京京橋のギャラリー川船で緑川俊一追悼展が開かれている(4月15日まで)。緑川は1947年東京生まれ、1967年コリン・ウィルソンの著作を読み、絵を描き始める。その後沖縄、小笠原、小樽、ニューヨークに移り住む。1971年竹川画廊で初個展、以後シロタ画廊…
東京木場公園近くのアンドーギャラリーで中沢研展が開かれている(4月28日まで)。中沢は1970年東京生まれ、1994年に多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了している。1992年にINAXギャラリー2で個展を開いた後、ギャラリー現やギャラリー山口、ギャラ…
谷川晃一『毒曜日のギャラリー』(リブロポート)を読む。谷川が25人のアーティストたちを紹介している。主な人物を拾っても、池田龍雄、中西夏之、菊畑茂久馬、赤瀬川原平、中村宏、篠原有司男、横尾忠則、秋山祐徳太子、吉野辰海など錚々たるメンバーだ。…
筒井康隆『大いなる助走』(文春文庫)を読む。大岡昇平の『成城だよりⅡ』を読んでいたら、この本の解説を書いたとあった。それで興味を持って読んでみた。読み始めてしばらくして途中でやめたくなった。だが読み始めた本は読み切るのがモットーなので最後ま…
東京銀座の資生堂ギャラリーでユ ソラ展「もずく、たまご」が開かれている(4月9日まで)。本展は資生堂が主催する公募プログラム「第16回shiseido art egg」入選者3名による個展の二人目。3人の個展が終ったあと、一人にグランプリが与えられる。 ユ ソ…
金井美恵子『迷い猫あずかってます』(中公文庫)を読む。1990年12月18日に子猫が迷い込んできた。飼い猫のようだったので、ちらしを作りあちこちに貼りだした。ちらしの文言、 迷い猫あずかってます 12月18日の昼ごろから、/この近辺で/迷い子になって/…
東京銀座のStepsギャラリーで勝又豊子展「気配」が開かれている(4月15日まで)。勝又は宮城県生まれ、1971年宮城教育大学を卒業している。秋山画廊を始め、ギャラリー現で何度も個展をしてきた。私はギャラリー現で勝又の大掛かりなインスタレーションを何…
東京銀座の藍画廊で立原真理子展「すきまとおく/広縁」が開かれている(4月8日まで)。立原は茨城県生まれ、2006年に女子美術大学芸術学部洋画専攻を卒業し、2008年に東京芸術大学大学院美術研究科修士課程を修了している。2007年に銀座のフタバ画廊で初…
斎藤美奈子が「旅する文學 岐阜編」で、岐阜県を舞台とする小説を紹介している(朝日新聞、2023年3月31日夕刊)。 島崎藤村『夜明け前』(岩波文庫など)について、 (……)ひと言でいうとこれは地方から見た明治維新の裏面史だ。維新に夢をつなぐも裏切られ…