2018-01-01から1年間の記事一覧
東京神楽坂のギャラリーeitoeikoで入江一郎展「ペタン師」が開かれている(12月22日まで)。入江は東京生まれ。2歳より両親に連れられロサンゼルスに移住。作家、キュレーター。コンテンポラリーアート専門の RiM マガジンを編集する。アーティストとしては…
東京神田のギャラリーN神田社宅で二藤建人個展「ヘルニア」が開かれている(12月1日まで)。二藤は1986年埼玉県生まれ、2010年に武蔵野美術大学彫刻学科を卒業し、2012年に東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了している。2013年から個展やグループ展…
藤井一至『大地の五億年』(ヤマケイ新書)を読む。副題が「せめぎあう土と生き物たち」。藤井は土壌学、生態学の専門家。面白いからって人に勧められて手に取った。 藤井は世界中の土を研究している。スコップを持って土を掘り、それを分析している。地球が…
草薙奈津子『日本画の歴史 現代篇』(中公新書)を読む。これがとても良かった。草薙は現在平塚市美術館の館長だが、以前は山種美術館に勤務していた。現場でたくさんの日本画を見てきたであろうし、著名な日本画家とも付き合ってきた。 本書の前に近代篇が…
東京銀座のギャラリー58で中村宏展が開かれている(12月8日まで)。中村宏は1932年静岡県浜松市生まれ。初めルポルタージュ絵画という社会的な絵画を描く。砂川闘争を描いた名作が作られた。それはリアリズムとは異なり、シュールレアリズムの傾向を帯びてい…
東京銀座のコバヤシ画廊で野沢二郎展「風景を鋤く」が開かれている(12月1日まで)。野沢は茨城県生まれ、1982年に筑波大学大学院を修了している。これまで「VOCA展'97」や同年の「バングラデシュ. アジア美術ビエンエーレ」に参加し、2012年はDIC川村記念美…
東京小金井市のギャラリーテムズで深沢軍治展が開かれている(12月2日まで)。深沢は1943年山梨県生まれ、1971年に東京芸術大学大学院美術研究科を修了している。今年は7月に銀座のうしお画廊で個展を開いていた。 深沢はわりあい単純な形を繰り返して作品を…
東京新宿大京町のアートコンプレックスセンターで谷口ナツコ展が開かれている(12月9日まで)。谷口は1968年北海道生まれ。今までギャラリー砂翁、デザインフェスタギャラリー、ヴァニラ画廊、スタジオ・ゾーン、アンド・ゾーン、ギャラリー・テオなどで個展…
長く新宿2丁目で営業していたフリーアートスペースポルトリブレが、入居しているビルの建て替えのために昨年末で営業を停止していたが、今日から高円寺の新しいスペースで営業を開始した。今日から3日間、オープン記念展が開かれている。展示されている作品…
東京六本木のシュウゴアーツで森村泰昌展が開かれている(11月24日まで)。いつものように森村は誰か/何かに扮してそれを撮影した作品を作っている。今回の目玉はマネの「オリンピア」だ。 そのほかたくさんのポラロイド写真を並べている。それらを森村の作…
アラン・ワイズマン『人類が消えた世界』(ハヤカワ文庫)を読む。SFのようなタイトルだが、ノンフィクションだ。増え続けた人類のために、また増大するプラスチックや化学物質などのために、地球は莫大な負荷を受けている。動植物が絶滅の危機にあり、すで…
東京巨橋のギャラリー檜Fでシマヅヨウ彫刻展「肉的な感じ」が開かれている(11月24日まで)。シマヅは1962年兵庫県生まれ、1986年に武蔵野美術短期大学専攻科を修了している。1986年より個展を続けているという。最近はここギャラリー檜Fで開いている。 シマ…
東京銀座のコバヤシ画廊で西成田洋子展「記憶の領域2018」が開かれている(11月19日まで)。西成田は1953年茨城県生まれ、1987年より東京、水戸、ニューヨークなどでもう30回以上も個展を開いている。作品は大きな奇妙な立体で、古着などを縫い合わせて造形…
今日の毎日新聞に橋爪大三郎による熊野純彦『本居宣長』(作品社)の書評が載っている。橋爪は社会学者、熊野は西洋哲学者で、レヴィナス、カント、ヘーゲルなどを専門にしている。また熊野は廣松渉の弟子でもある。橋爪も熊野も尊敬する学者たちだ。 西欧哲…
東京恵比寿のナディッフ本店で風間サチコ展「予感の帝国」が開かれている。これは風間サチコ作品集『予感の帝国』(朝日出版社)の刊行を記念して開かれたもの。 風間は1972年東京生まれ、1996年武蔵野美術学園版画研究科を修了している。1998年にギャラリー…
東京洗足池のギャラリー古今で瀧田亜子新作展「池のほとり」が開かれている(11月18日まで)。瀧田は1972年東京都生まれ。2年間ほど中国へ留学し書を学んできた。2003年ギャラリー・オカベで初個展、以来、なびす画廊での個展を中心に銀座の画廊で発表を繰り…
『古今和歌集』の「物名」に、ふかくさの和歌が載っている。ふかくさは清原深養父で、覚醒剤番長の先祖に当たる(らしい)。 からもゝの花 あふからもものはなほこそ悲しけれ 別れんことをかねて思へば 「物名−モノノナ」は題の語を歌の中に隠して詠んだもの…
野長瀬正夫・作、安野光雅・絵『ゆうちゃんと こびと』(フレーベル館)の絵本を読む。安野にしては絵が凡庸だしあまり面白くなかった。もっとも子供はこれを面白がるかもしれないが。野長瀬は詩人で金の星社の編集長だった。 本書はゆうちゃんという小さな…
上野の国立西洋美術館のロダンの彫刻を撮る。 考える人 カレーの市民 地獄門
大高保二郎『ベラスケス』(岩波新書)を読む。画家ベラスケスのきわめてすぐれた伝記だ。ベラスケスの詳しい伝記であり、同時にベラスケス美術論でもある。ベラスケスの活躍した時代を描き、ベラスケスがどのような出自、どのような環境であのような傑作を…
東京銀座の画廊香月で高島進+高木健多二人展が開かれている(11月17日まで)。高島は1959年兵庫県生まれ、1982年に武蔵野美術大学建築学科を卒業したあと、1984年に武蔵野美術学園油絵科を卒業している。その後メキシコのアジェンデ美術学校に1年間留学し…
『堀田善衛を読む』(集英社新書)を読む。5人と1組織の共著という体裁。これは今年10月から富山県 高志の国文学館で開催される生誕100年記念特別展「堀田善衛―世界の水平線を見つめて」に際してインタビューに協力した5人の話に各著者が加筆・修正して書籍…
東京写真美術館で「愛について――アジアン・コンテンポラリー」と「写真新世紀」を開催している(どちらも11月25日まで)。 まず「愛について」、ちらしに書かれていることを写す。 発展と変容の著しいアジア。現代写真・美術の世界においても、アジアに向け…
東京杉並区善福寺の遊工房アートスペースで鵜飼美紀展が開かれている(11月23日まで)。鵜飼について、ギャラリーのホームページから、 1968年 東京生まれ。1994年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。主にラテックス(液体ゴム)を用いたインスタレ…
東京銀座のSTEPSギャラリーで前田精史展が開かれている(11月17日まで)。前田は1948年京都市生まれ、1974年に東京藝術大学大学院美術研究科を修了している。同年ときわ画廊で初個展、以来さまざまな画廊で個展を繰り返している。 画廊主の吉岡が自身のブロ…
青柳いづみこ『ピアニストたちの祝祭』(中公文庫)を読む。これは2014年に出版された単行本の文庫化。単行本を読んだときにブログに紹介したが、今回手抜きしてそれを再録する。 青柳いづみこ『ピアニストたちの祝祭』(中公文庫)を読む。自身もピアニスト…
東京の世田谷美術館で向井潤吉展が開かれている(11月4日まで)。標題が「民家の画家向井潤吉 人物交流記」、向井の若い時から晩年までの作品を並べ、民家の画家と言われるまでの画業を見せている。パリでの修業時代の模写の上手いことに驚いた。戦争画も描…
朝日新聞の朝日歌壇に珍しい名字の女性の短歌が紹介された(10月28日)。 秋海棠と秋明菊が好きだった父は画帖にあまた残せり (島根県 非々玲子) この「非々」という名字は初めて知った。それで「名字由来net」というサイトで調べてみた。非々は愛知県に約…
10月末に新国立劇場小ホールで同劇場演劇研修所第12期生試演会があった。演目は三好十郎作の『トミイのスカートからミシンがとびだした話』で、1951年に発表されてその年に初演した以来の舞台化らしい。演出が田中麻衣子。パンフレットにあらすじが紹介され…
橋爪大三郎『丸山眞男の憂鬱』(講談社選書メチエ)を読む。これが刺激的でとても面白かった。題名としては『丸山眞男と山本七平』の案も考えたという通り、山本七平の書と対比して丸山を批判している。丸山の主著『日本政治思想史研究』は戦後東京大学出版…